JBPA技術情報

PTT - ポリトリメチレンテレフタレート

Covation Biomaterials LLC
寺澤 朋浩

1. ポリトリメチレンテレフタレート概要

1.1 原料及び分子構造

ポリトリメチレンテレフタレート(Polytrimethylene terephthalate, 以下PTT)は、芳香族ポリエステルに分類される半結晶性熱可塑性樹脂である。基本的には1,3-プロパンジオール(以下PDO)とテレフタル酸、またはテレフタル酸ジメチルを原料として、縮合重合によって形成される線状高分子である。

繰返し構造単位は[-O-CH2-CH2-CH2-O-CO-C6H4-CO-]nで表され、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)と同様にテレフタレート系ポリエステルに属する。ただしPTTではジオール成分が3炭素鎖(トリメチレン基)である点が特徴であり、この奇数炭素鎖構造が分子の屈曲性を高め、独自の物性を生み出す主要因となっている。

PTTの分子構造は、結晶中においてジオール部分が折れ曲がった構造を取りやすく、伸長時に可逆的な変形を起こしやすい。このためPTTは他のポリエステルと比較して弾性回復性が非常に高く、「バネ状挙動」を示すと説明されることが多い。

1.2 樹脂の特徴

樹脂としては、弾性率が低く柔らかい触感を持ちながらも、十分な機械強度を保持している点が特徴である。一般的な物性値として、融点は225〜230℃、ガラス転移温度は約50℃前後であり、PETよりやや低い融点を有するため加工性が良好である。

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